相続手続きを行うために必要な知識や手順を、わかりやすく解説します。遺産分割協議や財産目録の作成、各種書類の準備など、自分で進める際に知っておくべきポイントや注意点を紹介。相続手続きを完了させるための具体的な方法を学び、手続きの負担を軽減しましょう。
遺産相続手続きは自分で行える
遺産相続手続きは、ご自身で進めることが可能です。ただし、「専門家に任せるべき4つの遺産相続手続き」や「専門家に相談した方がよい3つのケース」に該当する場合は、時間や労力、手続きの正確さを考慮し、速やかに専門家に依頼・相談することをお勧めします。
自分で行うための遺産相続手続きのリスト
遺産相続手続きを自分で進めるためのリストです。各項目をクリックすると、その手続きを「どこで・誰が行うのか」などの詳細を確認できます。このリストに従って進めれば、自分で遺産相続手続きを行うことが可能です。
目安 | 手続き |
---|---|
死亡日から7日以内 | 死亡診断書の受け取り、死亡届の提出、火葬許可証の取得、埋葬許可証の取得 |
死亡日から10日以内 | 年金受給権者死亡届(報告書)の提出 |
死亡日から14日以内 | 介護保険被保険者証の返却、介護保険資格喪失届の提出、世帯主変更届の提出 |
死亡日から1か月以内 | 国民健康保険証の返却、葬祭費の申請、金融機関への口座凍結連絡、公共料金の解約(名義変更)、生命保険金の請求 |
死亡日から2か月以内 | 遺言書の有無の確認、遺言書の検認、相続人調査、故人の財産調査 |
死亡日から3か月以内 | 相続放棄の申述 |
死亡日から4か月以内 | 準確定申告、預貯金の名義変更手続き、高額療養費の請求 |
死亡日から6か月以内 | 遺産分割協議の開始、遺産分割協議書の作成 |
死亡日から10か月以内 | 相続税の申告 |
死亡日から1年以内 | 遺留分侵害額請求の手続き |
死亡日から3年以内 | 相続登記(不動産の名義変更手続き) |
専門家に依頼すべき4つの遺産相続手続き
以下の4つについては時間や労力、正確さの観点から専門家に依頼することをお勧めします。
- 相続登記(不動産の名義変更手続き):弁護士に依頼するのが理想です。兄弟間相続や代襲相続などの特殊なケース、相続人が不仲な場合、または不動産が遠方にある場合など、特定の状況では特に専門家のサポートが必要です。
- 料金: 土地1筆あたり、約5-15万円
- 相談方法: 対面やオンラインで可能
- 予約: 必要
- 相続放棄・限定承認の申立て:弁護士に依頼することをお勧めします。相続放棄後に次順位の相続人とのトラブルが発生する可能性があるため、事前に弁護士のアドバイスを受けることで、スムーズに手続きを進められます。
- 料金: 約5-12万円
- 相談方法: 対面やオンラインで可能
- 予約: 必要
- 相続税申告:税理士に依頼することを推奨します。税理士を通じて申告することで、リスクを軽減し、正確な申告が可能です。
- 料金: 遺産総額の0.5-1.5%程度
- 相談方法: 対面やオンラインで可能
- 予約: 必要
- 遺留分侵害額請求の手続き:弁護士に依頼するのが賢明です。法律や判例の知識が必要で、場合によっては訴訟になることもあるため、専門家のサポートが不可欠です。
- 料金: 50万円程度〜(成功報酬による変動あり)
- 相談方法: 対面やオンラインで可能
- 予約: 必要
各手続きに関して不明点があれば、専門家に相談することで手続きを円滑に進めることができます。
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050-6883-9809
受付時間:9:00~18:00
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専門家に相談すべき3つの相続手続きのケース
以下の3つのケースでは、弁護士に相談することを強くおすすめします。
相続人同士でトラブルが発生している場合
相続人同士で意見の相違や争いが生じている場合、手続きを自分で進めるのは難しいでしょう。以下のような状況が該当します
- 遺産分割方法について意見がまとまらない
- 納得できない内容の遺言書がある
- 相続人同士が不仲で連携が取れない
- 連絡が取りづらい相続人がいる
- 特定の相続人が遺産分割に不満を抱えている
こうしたトラブルを解決するには、紛争解決の専門家である弁護士に相談することが重要です。弁護士は、法的な手続きや解決策を提案し、スムーズに手続きを進めるサポートをしてくれます。
家族関係が複雑な場合
家族関係が複雑な場合は、弁護士、または各種専門家に相談するのが適切です。以下のような状況が該当します
- 代襲相続が発生している
- 相続人に兄弟姉妹が含まれている
- 認知された子がいる
- 養子縁組をしている
- 離婚・再婚歴がある
こうした複雑な家族関係では、相続権のある法定相続人の特定が難しくなります。また、相続人間でのトラブルが発生しやすいため、状況に応じて弁護士に相談することが求められます。
相続手続きを行う時間がない場合
相続手続きを自分で行う時間がない場合は、弁護士を利用するのが便利です。
遺産相続手続きには多大な時間がかかり、例えば相続税の申告だけでも累計で約200時間が必要とされます。さらに、市役所や金融機関の窓口は平日しか営業していないため、日中に時間が取れない方には困難です。
こうした場合、専門家に依頼することで、迅速かつ正確に手続きを進めることができます。手続きには期限があり、期限を過ぎるとペナルティが発生することもあるため、時間が取れない場合は速やかに代行センターに相談することが望ましいです。
「遺産相続手続きを自分で行えるのか?」という疑問について説明してきました。遺産相続手続きは自分で行うことが可能ですが、専門家に任せた方が良い手続きや、専門家に相談すべきケースもあります。これらの状況に該当する場合は、速やかに専門家の助けを借りることをおすすめします。