このようなお悩みはありませんか?-当事務所に寄せられたご相談例
「亡くなった父の遺産分割方法について、兄弟姉妹と意見が対立している」
「きょうだいが遺産分割の協議に応じてくれない」
「兄弟が財産の全貌を明らかにしてくれない」
このようなご相談を多くお受けしています。
相続人が被相続人の子供だけという状況は、相続においてよく見られるケースです。被相続人が生前に「うちの兄弟姉妹は仲が良いので、相続で揉めることはないだろう」と考えていても、実際に相続が始まるとそれぞれの意見が食い違い、思わぬ紛争に発展することがあります。
ここでは、札幌市近郊で多くの相続問題を取り扱ってきた弁護士法人リブラ共同法律事務所の弁護士が、兄弟姉妹間の相続問題について、紛争の原因とその予防・解決策をご紹介いたします。
相続トラブルになりやすい家族の12パターン
兄弟・姉妹の仲が悪い
親が亡くなった後、遺産の分け方について、子どもたちがもめるケース。もともと仲が悪いと、お互いの意見が衝突し、相続トラブルに発展しやすい傾向にあるので注意が必要。
◆よくある相続トラブル事例
- 遺産の分け方について、兄弟の誰かが強引に話を進める
- 相手に連絡しても応じてもらえず、遺産分割が進まない
- お互いが感情的になって手が付けられない
家族と縁を切っている相続人がいる
家族と疎遠になっている相続人がいる場合にも注意が必要。なぜなら、それまで音沙汰がなかった家族から、親が亡くなったとたん連絡があり、「自分にも遺産を分けろ」となるケースもあるからである。
◆よくある相続トラブル事例
- 疎遠だったのに、いきなり現れた兄弟が遺産をもらうことに納得ができない
- がめつい兄弟がいるせいで遺産分割が進まない
- そもそも疎遠になっている兄弟と連絡が取れない
遺産が実家だけしかない
不動産は分けることができないため、相続トラブルに発展しやすい傾向にある。特に遺産が実家しかない場合は、相続人の誰かが遺産を貰えない、実家を売ったお金を相続人で分配するなどの対応が必要になる。
◆よくある相続トラブル事例
- 不動産を分けることは困難
- 実家を売ってでもお金が欲しい相続人がいて、話し合いが難航する
- 不動産をいくらと換算するかでもめる
介護の負担が大きい相続人がいる
亡くなった人の遺産を分けるときに、「故人の面倒を見ていたから、自分は多く貰えるはずだ」と思っている相続人がいると、遺産分割でもめやすい傾向にあります。
◆よくある相続トラブル事例
- 他の兄弟よりも頑張って介護してきた分、遺産をもっと多く貰って当然だとおもっているが、他の兄弟に認めてもらえない。
特定の相続人がかわいがられている
兄弟の中で特に可愛がられている人間がいると、相続トラブルに発展しやすい傾向にある。遺言などもその兄弟が親とのやり取りのなかで自分に有利に進めようとする場合もあるから。
◆よくある相続トラブル事例
- 長男が故人の生前にかわいがられており、「長男に全財産を相続させる」などの遺言を用意させていた
親が認知症をわずらっている
判断能力が乏しくなってきた親がいる場合は、注意が必要。相続には「贈与」という制度があり、相手に関しては法定相続人でなくても可能である。つまり、認知症であることに付け込み、財産をだまし取られてしまうこともある。
◆よくある相続トラブル事例
- 実家に暮らしている妹に対して、多額の預金を上げてしまっているが、そのことを父は覚えていない。また、妹もそのことについては「知らない」の一点張りで話がかみ合わない。
親が遺言書を書くタイプじゃない/遺言書がない
相続のルールとして遺言書がない場合は、遺産分割協議が必要となり、遺産の分け方については相続人全員の合意が必要となるため、遺言書がない場合ももめごとになりやすい傾向がある。
◆よくある相続トラブル事例
- 長男が「親父は全財産を俺に相続すると言っていた」と主張。しかし、文面での遺言がないことに加え、長男だけが財産を相続するのもおかしいと次男と長女は到底納得いかない。
養子がいる
養子がいる場合もトラブルに発展するケースがあります。養子も第1順位の相続人とみなされるので、他の子どもや相続人の取り分が減ってしまうためです。
◆よくある相続トラブル事例
- 実子が自分の相続分が減ることに不満を持ち遺産分割協議で争いとなった。実子からみたら、本来は相続するはずのない他人である人が養子というだけで遺産を持っていくことに納得がいかない様子。
親がバツイチで前婚の子どもがいる
前婚の子どもについては、故人の血縁関係がある場合には、原則として相続人として認められます。再婚をして子どもが新しくできた場合、前婚の子どもと今の家族の子どもが相続争いになる場合があります。
◆よくある相続トラブル事例
- 亡き父親は再婚しており、前妻には子どもが2人いる。自分は2人兄弟であるが、離婚後ほとんど関わりのない前妻の子どもに遺産を請求されるのは筋違いだと思う。せめて取り分は少ないべきだ。のように、現在の子どもと前婚の子どもで主張が分かれ、相続トラブルに。。。
財産を管理している特定の相続人がいる
被相続人の没後、その口座からお金をこっそり引き出し、自分の好きなように使うことを「使い込み」という。要するに、相続できる現金が減ってしまうということだ。もちろん「使い込み」が発生するのは稀ではあるが、実際の相続トラブルのパターンとして挙げられるので注意が必要。
◆よくある相続トラブル事例
- 3人姉妹の姉は、年老いた母親の介護のために同居していた。しかし、母親が亡くなったとたん、長女が母親の銀行口座からどんどんお金を引き出し、使いこんだ。「もともと預金は少なかった」と長女は言い張るが、銀行にも確認済みで裏も取れているし、兄弟としては到底納得できない。
親の会社がある
事業家や経営者の方が亡くなった際にも相続トラブルに発展しやすい傾向にある。
◆よくある相続トラブル事例
- 事業を継承した長男に対して、次男は「自分には遺留分があるから、事業を継承した分の現金をよこせ」と主張してきた。
内縁の妻や夫がいる
事実婚の場合にも、思いもよらぬ相続トラブルに発展する。法律婚ではないパートナーは法定相続人として認められないためである。この場合、相続を受けるためには遺贈する旨を記載した遺言を書いてもらう必要がある
◆よくある相続トラブル事例
- パートナーと暮らしていた家を、相続人である遺族に家を取り上げられ、売られてしまった。
兄弟姉妹間の相続トラブルの予防・解決策
被相続人の生前に遺言書を作成する
生前の対策として、被相続人に遺言書を作成してもらうことが有効です。遺言書に各財産の分割方法が明示されていれば、被相続人の死後、その内容に従って相続手続きを進めることができ、兄弟姉妹間の争いを防ぐことができます。特に、公正証書遺言の形式で作成することをお勧めします。これにより、紛失や改ざんのリスクがなく、検認も不要となります。
また、遺言を作成する際には、各相続人の遺留分を侵害しないよう配慮することが重要です。これにより、遺留分侵害額請求の問題を未然に防ぐことができます。
早めの相続人・相続財産調査
遺産分割は全ての相続人で行う必要があり、一部の相続人だけで行った遺産分割は法的に無効です。また、遺産分割後に新たな遺産が見つかった場合、そのたびに遺産分割をやり直す必要があり、トラブルが拡大する可能性があります。
そのため、相続が開始されたら早急に相続人と相続財産の調査を行うことが大切です。知られていなかった相続人(半血の兄弟姉妹など)が発覚することもあるため、早い段階での調査が望まれます。また、財産に関する客観的な資料を事前に収集し、兄弟姉妹全員で情報を共有することで、協議がスムーズに進むでしょう。
話し合いが進まない場合の調停手続の利用
話し合いが平行線をたどる場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることを検討しましょう。申立は個人でも複数の相続人でも行うことができ、相手方は他の相続人全員となります。
調停手続では、調停委員が双方の事情を聴取し、資料の提出を求めたり、解決案を提示したりして話し合いを進めます。合意に至らない場合は、最終的に「審判」という形で裁判官に判断を委ねることができます。ただし、遺産分割調停は既に判明している遺産について話し合う場であり、申立時に作成する財産目録に載っていない遺産の追跡や、相続開始前に使い込まれた財産の追及には利用できない点に注意が必要です。
相続トラブルは弁護士にお任せください
司法統計によると、家庭裁判所に申し立てられる遺産分割事件のうち、3割以上が遺産の価額1000万円以下の事案です。「うちの親は兄弟姉妹で取り合うほどの財産を残していない」とお考えのご家庭でも、相続トラブルは意外と発生しやすいものです。また、普段あまり関わりのない兄弟姉妹がいたり、人数が多かったりすると、「相続について改まって話し合うのは気が重い」というご相談も多くいただきます。
本記事では、兄弟姉妹間で相続トラブルになりやすいケースをいくつかご紹介しましたが、もし心当たりがある場合は、早めに弁護士にご相談・ご依頼されることをお勧めします。弁護士に依頼することで、他の相続人からの主張や調停の見通しを考慮しながら協議を進めることが可能です。また、協議が上手くいかず調停に発展しても、弁護士が代理人として法的根拠に基づいた主張や証拠の収集を行います。さらに、相続人調査や相続財産調査も代行でき、相続手続全般についての疑問点にもお答えします。
札幌市近郊にお住まいで、兄弟姉妹との相続トラブルにお悩みの方は、多数の相続問題を解決してきた当事務所にぜひご相談ください。
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