【相続放棄】15年近く放置されていた親の相続問題~相続放棄によって納税・登記の不安から解放された事例~

クライアント情報

個人/秋田県在住 50代 女性

問題となっていた事柄

依頼者は、約30年前に嫁いで以降、ご両親の財産管理はすべて長男に任せており、財産の内容について一切関知していませんでした。
父が亡くなった際も、母が亡くなった際も、遺産分割協議は行われず、相続手続も進められていないまま長い年月が経過していました。
そんな中、ある日突然甥から「父名義の不動産の納税通知書」が送られてきたことで、はじめて父や母が不動産を所有していた事実を知ります。相続人は依頼者のほか、弟が2人。しかしそのうち一人(二男)が遺産分割に全く協力しないため、相続手続が全く進まず、依頼者は「いっそのこと相続放棄をしたい」と考えるようになり、当事務所にご相談いただきました。

争点

相続登記の義務化が施行された今、父名義の不動産をそのまま放置し続けることは将来的に大きなリスクとなります。
しかし、父の死亡からは15年以上、母の死亡からも5年以上が経過しており、「今からでも相続放棄が可能なのか」が大きな争点となりました。法律上、相続放棄は原則として「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」に行う必要があるため、今回のように長期間が経過したケースでは、裁判所の判断が重要になります。

弁護士が介入した結果

当事務所では、相続登記を放置したままにすることの法的リスクや将来的な不利益について丁寧にご説明しました。
そのうえで、依頼者が不動産の存在や相続手続の必要性を最近になって初めて知ったことを踏まえ、裁判所への相続放棄申述とあわせて、経緯を詳しく記載した「相続放棄上申書」を作成・提出しました。

解決と成果

裁判所は依頼者の状況を考慮し、父・母双方の相続放棄を受理。依頼者は、不動産の相続登記や固定資産税の負担といった今後の不安から解放されることとなりました。
相続人の一人が非協力的でも、法律的な手続によって自分の立場を明確にし、問題を整理することができる好例となりました。

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この記事を書いた人

弁護士|注力分野:相続

現在は立川の支店長弁護士として相続分野に注力して奮闘しております。今後も相談者の心に寄り添い、活動していく所存です。どのような法律問題でも、お気軽にご相談ください。

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