クライアント情報
立川市在住:50代男性
問題となっていた事柄
依頼者の父は令和6年3月に亡くなり、相続が開始しました。
相続人は依頼者と弟の2名でしたが、父は生前に作成した公正証書遺言により、遺産の大部分を弟に相続させる内容にしていました。
その結果、依頼者の遺留分(法律上保障される最低限の相続分)が侵害される状態となっていました。
依頼者は令和6年5月に内容証明郵便を弟に送り、遺留分侵害額請求を行使する意思表示をしましたが、弟は金銭の支払いに応じず、話し合いは平行線をたどっていました。
弟は、特に父が住んでいた不動産について「売却したくない」という強い意向を示しており、また弟の方が生前父との交流が深かった為、祭祀承継者(お墓や仏壇などを管理する者)を誰が務めるかも大きな争点となっていました。
争点
・祭祀承継者(お墓や仏壇などを誰が引き継ぐのか)は誰か。
・遺産の不動産は売却して分割しなければならないのか、あるいは代償金での調整が可能か。
弁護士が介入した結果
弁護士は、依頼者の代理人として家庭裁判所に遺留分侵害額請求調停を申し立て、正式な話し合いの場を設けました。
調停の場では、弟が父と特に親交が深かったことを踏まえ、祭祀承継者は弟が務めることが確認されました。また、弟は不動産の売却を強く望まなかったため、不動産は売却せず、代償金として約1000万円を依頼者に支払うことで双方が合意し、無事に和解が成立しました。
依頼者は調停によって自身の正当な遺留分を確保することができ、兄弟間の関係悪化を最小限に抑える形で解決を図ることができました。