【クライアント情報】
稲城市在住70代 女性(被相続人の後妻)
【背景とトラブル内容】
夫の死後、相続人である前妻との子3名と連絡が取れず、遺産分割も進まない状態が続いていました。
遺産には、劣化したアパート2棟と土地1筆、わずかな預貯金が含まれており、建物の一部には相続人の一人が居住、さらに別の棟には第三者が賃借人として入居している状況でした。
借地契約の関係から、建物の解体と土地の返還が急がれる中、住人の退去が進まず、また相続人の一人からは「まだ他にも財産があるはずだ」と主張され、話し合いが全く進みませんでした。
【争点】
•建物に居住する相続人が明渡しを拒否
•相手方から「提示された預貯金は一部ではないか」と疑念が提示された
【弁護士の介入でどう解決したか】
依頼者がご相談に来られた時点では、相続人の連絡先も不明で、話し合いの糸口すらない状態でした。
そこで当職が介入し、次のように段階的に対応を進めました
✅ 相続人調査・財産調査を実施し、法定相続人と遺産の範囲を確定
✅ 相続人全員に内容証明で連絡し、協議を打診
✅ 協議が整わなかったため、家庭裁判所にて調停を申し立て
✅ 調停の場で、預貯金についての透明な資料を提示し、疑念を払拭
✅ 建物に居住していた相続人とは「一定額の解決金の支払い」と「明渡し期限」を交渉の末に合意
✅ 最終的に「調停に代わる審判」で依頼者の遺産全取得が認められた
その後、弁護士で相続登記・預貯金の解約手続・解決金の支払いまで一括サポートし、建物は期限内に明け渡され、土地も地主へ無事返還されました。
依頼者は念願の相続手続完了と建物の整理を実現されました。
【実務的ポイント】
•相続人の調査や財産調査は、早期の弁護士介入でスムーズに進行する。
•遺産の現物に第三者がいる場合でも、調停を通じて柔軟な合意形成が可能になる。
•解決金の提案と明渡し条件をセットにすることで、双方にとって現実的な落とし所を模索した。
•登記・預貯金解約などの手続きも弁護士が一括対応することで、依頼者の負担を大幅軽減することがきる。